06 November 2025

ME BESS GB:2025年10月の収益は77,000ポンド/MW/年に上昇

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ME BESS GB:2025年10月の収益は77,000ポンド/MW/年に上昇

イギリスにおけるバッテリーエネルギー貯蔵の収益は10月に77,000ポンド/MW/年となり、9月から11%増加、2025年7月の最低値から36%増加しました。周波数応答サービスの価格上昇や、2025/26年度の新たなキャパシティマーケット契約の開始が主な要因です。バランシングメカニズムでのディスパッチ量は過去最高を記録し、最大需要と再生可能エネルギー発電量の減少が卸売価格の上昇を後押ししました。

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3か月連続で収益が増加

イギリスのバッテリーは10月に77,000ポンド/MW/年を稼ぎ、2025年7月の最低値から36%増加しました。主な要因は周波数応答サービスの収益で、30,000ポンド/MW/年に達し、9月の2年ぶりの高値を上回りました。

キャパシティマーケットの支払いは2,700ポンド/MW/年増加し、2025/26年度向けの新規契約にバッテリーが参入したことが背景です。

冬季に向けて電力需要が増加する中、卸売収益は12%減少しました。バランシングメカニズム収益はほぼ横ばいで、BidとOfferの量がそれぞれ28%増加しました。

卸売市場

価格高騰にも関わらずスプレッドは縮小

10月13日には1日あたり326ポンド/MWh、22日には275ポンド/MWhと日中市場で高値を記録しましたが、需要増加と供給逼迫が要因です。これらの高騰にもかかわらず、スプレッドは縮小傾向にありました。日中スプレッドは92ポンド/MWhから88ポンド/MWhに減少し、デイアヘッドスプレッドは77ポンド/MWhで安定しました。

これにより、2025年の平均を上回る価格スプレッドが維持され、10月の強い収益につながりました。

10月のマイナス価格時間は20時間となり、9月の54時間から大きく減少しました。これにより、価格高騰の中でも卸売アービトラージによる上振れは限定的となりました。

残余需要が30GWを突破

全国の電力需要は前月比12%増の平均26GWとなりました。日照時間の短縮と寒さにより、夕方のピーク需要は33GWとなり、9月から15%増加しました。

風力発電量は平均12GWと9%減少しましたが、残余需要(需要と再生可能発電の差)は平均20%増加しました。ピーク時には9月比30%増となり、10月13日と22日には3月以来初めて30GWを超え、大きな価格高騰の要因となりました。

バランシングメカニズム

ディスパッチ率が過去最高に急上昇

最近まで横ばいだったインメリットディスパッチ率が10月には11%から18%へと急上昇しました。これによりバッテリーのディスパッチ量は28%増加し、バランシングメカニズムで227GWhのバッテリーエネルギー貯蔵が活用されました。

一方、BidとOfferが同時に増加したため、Bid/Offer比率は安定し、収益も横ばいとなりました。

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