2025年4月、オーストラリアの全国電力市場(NEM)におけるグリッド規模バッテリーエネルギー貯蔵システムの平均収益は、ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州での極端な電力価格が発生した複数の時間帯により、3月から増加しました。しかし、バッテリーごとに収益のばらつきが大きく、さまざまな要因が業績不振をもたらしました。
本記事では、2025年4月のNEMグリッド規模バッテリー収益の概要を解説します。前月との比較、エネルギートレーディングやFCAS価格が収益に与えた影響、州ごとの収益、そしてインデックスから乖離した要因について紹介します。
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エグゼクティブサマリー
- 4月のNEMバッテリーの平均年間収益は$82,000/MWで、3月比31%増加しました。
- わずか2日間オフラインだったことで、一部のバッテリーは月間収益の3分の2を逃しました。
- たった15分間の制約で、NSWのバッテリーは$3,800/MWの収益を逃し、グリッド制約への曝露がBESS収益に大きな影響を与えることが示されました。
- 収益が低い月(価格変動が小さい場合)でも、FCASは有効な収益源となり得ます(ただし、エネルギートレーディングが依然として主流です)。
NEM全体のバッテリー収益は4月に31%増加、QLDの好調が牽引
2025年4月、オーストラリアNEMのグリッド規模バッテリーエネルギー貯蔵システムの収益は$82,000/MW/年となりました。収益は3月比で31%増加し、これはNSWとQLDでの極端な電力価格の時間帯が影響しています。4月のエネルギートレーディング収益は総収益の88%で、3月の85%、2月の92%と比較されます。エネルギー収益は$73,000/MW/年で、3月よりも37%高い水準です。




