エンデュアリング・オークション・ケイパビリティ(EAC)は、2023年11月3日(金)の供給分で初めて実際の結果を出しました。この新しいプラットフォームは、周波数応答サービスの調達方法に大きな変化をもたらします。
参加者は複数の周波数応答サービスに同時に入札・提供できるようになり、サービスを分割してマイナス入札も可能となりました。これにより、オークションの結果にどのような影響があったのでしょうか?
新EACによる初回結果で価格がマイナスに
初回オークションの結果、周波数応答サービスで初めてマイナス価格が出現しました。Dynamic Regulation HighはEFAブロック3~6で、Dynamic Moderation Highはブロック5と6で価格がマイナスとなりました。

Dynamic Regulation Lowを除き、すべての周波数応答サービスでクリア価格が下落し、マイナスとなったものもありました。オーバーホールディングや共同最適化の導入により、周波数応答サービスの調達効率が向上し、価格低下が期待されていました。

一方で、クリアされたボリュームは比較的安定していました。Dynamic ContainmentではHighとLowの両サービスで調達量が減少しましたが、これはオークションでのサービス要件が引き下げられたためです。

入札の動向は?
エンデュアリング・オークション・ケイパビリティでは、多くの新しい入札機能が導入されました。詳しくはこちらの解説記事をご覧ください。
今回のオークションでは合計1,345バスケット(実質的には個別の入札)が提出され、EFAブロックごとの平均は224件でした。23の参加者が109ユニット分の入札を行いました。つまり、すべての周波数応答プロバイダーが初日から新しいオークションプラットフォームに移行したことになります。

バスケットの27%には、Dynamic Containment、Dynamic Moderation、Dynamic Regulationの組み合わせ入札が含まれており、EACの新しい分割機能が活用されました。10種類のユニットが、異なる周波数応答サービスを同時に提供する契約を獲得しました。
また、参加者は複数のバスケットで複数サービスへの入札を行い、オークションの共同最適化機能を活用しました。同じEFAブロック内のバスケットの67%は、同じユニットでも異なるサービスへの入札であり、オークションアルゴリズムに多様な選択肢を提供しました。
分割に加え、一部の参加者は子入札や代替子入札といった強化された入札機能も利用しました。バスケットの67%が子入札、5%が代替子入札を活用しています。代替子入札はEACの新機能です。
最後に、バスケットの9%は「ループ化」されており、これはオークションのクリアリングアルゴリズム内で相互に関連付けられています。
収益への影響は今後の注目点
初回オークションで周波数応答価格は下落しましたが、収益への影響は今後明らかになります。EACによる柔軟性の導入で、一部の最適化事業者は収益向上の可能性もあります。新しい入札機能をいち早く使いこなした事業者は、エンデュアリング・オークション・ケイパビリティの開始によるプラスの効果を得られるかもしれません。




