NEM BESS見通し 2026年4月:グリッドスケール蓄電池のマーチャント投資ケース
オーストラリア全国電力市場(NEM)におけるグリッドスケール蓄電池のマーチャント投資ケースは変化しています。蓄電池収益はエネルギーアービトラージによるものが増加しており、FCAS(周波数制御補助サービス)は現在、収入のごく一部を支える役割となっています。
この変化により、投資判断はエネルギースプレッドの形状に重点が置かれるようになり、運用時間(デュレーション)が収益の主な要因となっています。4時間システムは、全ての本土州およびシナリオで最も高いリターンを示し、2時間システムは短時間スプレッドの圧縮により10%未満にとどまっています。
プロジェクトの成果は、立地や運転サイクル戦略にも大きく左右されます。制約のある低MLF地域に設置された蓄電池では、IRRが最大1.8ポイント低下する場合があります。運用者は、劣化の進行とバランスをとりつつ、サイクル戦略を工夫することでプロジェクト価値の向上も図れます。
ご質問やご意見は、marcus@modoenergy.com までご連絡ください。
エグゼクティブサマリー
- 4時間蓄電池は全ての本土州・シナリオで最も高いIRRを達成。 2時間システムは短時間スプレッドの圧縮により10%未満。
- エネルギーアービトラージが資産寿命全体の予測マーチャント収益の95%以上を占める。 FCAS収益は小幅で、安定した補助的役割。
- 立地によってIRRが最大1.8ポイント変動(地域リファレンスノードと制約低MLFサブリージョン間)。
- 1日1回以上のサイクルで、ビクトリア州ではピーク収益が約$38k/MW/年増加。ただし、クイーンズランド州では劣化を考慮するとプロジェクト価値が減少。
主要なモデリング入力
以下の前提が、本レポートの内部収益率(IRR)結果の基礎となっています。詳細な予測手法は2026年4月リリースノートに記載しています。





