2025年1月、オーストラリアNEMにおけるバッテリーエネルギー貯蔵の平均収益は$105k/MW/年まで減少しました。しかし、クイーンズランド州で発生した極端な価格変動により、同州のバッテリーは他地域を大きく上回る収益を上げました。クイーンズランドのバッテリーは他地域の5倍の収益を記録しました。一方、ニューサウスウェールズ州のバッテリー収益は77%減少しました。
本記事では、1月のバッテリー収益の変動要因について解説します。
要約
- NEM全体のバッテリー平均収益は2025年1月に7%減少し、$105k/MW/年となりました。これはFCAS価格の低下と極端な価格イベントの減少が要因です。
- クイーンズランドが突出した成績を見せ、バッテリー収益は30%増加し$277k/MW/年となり、他地域の平均の5倍以上となりました。
- 1月22日の1日だけで、クイーンズランドのバッテリー収益の57%を占め、記録的な需要と極端な夕方の価格が影響しました。
- 地域ごとの収益差は価格スパイクの頻度と、それに対するバッテリーの運用効率によって決まりました。
本記事では、Modo Energy NEMバッテリーインデックスを参照しています。このインデックスは、NEM内のバッテリーがある期間に得た平均収益(限界損失係数を含む)を示しています。平均値はバッテリーの定格出力で加重・正規化されています。通貨は全てオーストラリアドル(AUD)です。
インデックスおよび本記事は、NEMの公開卸電力市場およびFCAS市場からの収益(マーチャント収益)を対象としています。バッテリーは他にも政府契約や電力購入契約などの収益源を持つ場合があります。
NEM全体のバッテリー収益は12月から7%減少
大規模バッテリーの収益は2025年1月に平均$105k/MW/年となり、2024年12月から7%の減少となりました。これは2024年同月比で31%減、2024年の年間平均$149k/MW/年と比べても29%低い水準です。




