オーストラリアの全国電力市場(NEM)では、2024年にグリッド規模のバッテリー蓄電システム(BESS)が1日平均0.8サイクルで運用されました。しかし、バッテリーのサイクル数はこの平均値から大きく変動することも多く、これは季節変動、運用時間、収益戦略などの要因によるものです。
本記事では、2024年のNEMにおけるBESSのサイクル動向を、全体のフリートおよび個別システムの両面から解説します。
要約
- 2024年のNEMでバッテリーは1日平均0.8回サイクルし、資産ごとに大きな差がありました
- バッテリーは年間を通じて夕方の価格高騰時にサイクルし、冬季には朝の追加価格上昇時にも放電が増加しました
- 資産ごとの特性がサイクル数に影響し、同じ州内でもバッテリーごとにサイクル頻度は大きく異なりました
- 極端な価格変動期にはバッテリーが非常に高頻度でサイクルし、収益最大化を図るケースもありました
NEMのバッテリーサイクルは冬季に2ピーク型の価格変動で増加
バッテリーは2024年を通じて平均0.8サイクル/日で運用されましたが、5月から9月の冬季にはサイクル数が増加しました。2024年7月と8月には、平均サイクル数が1回/日を超えました。




