02 May 2024

系統接続改革:ESO、既存プロジェクトにもプロセス拡大を提案

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系統接続改革:ESO、既存プロジェクトにもプロセス拡大を提案

4月、ESOは最新の提案を発表し、系統接続改革においてキュー管理プロセスを新規だけでなく既存プロジェクトにも拡大する方針を示しました。過去6か月間で110GWの新規容量が送電接続キューに加わるなど、接続待ちの列は急速に拡大しています。

Ofgemはこれに対し公開書簡を発表し、利害関係者からの意見を募集しています。ご意見は2024年5月7日(火)までにconnections@ofgem.gov.uk宛てにお送りください。

過去6か月間で48GWの蓄電池送電接続容量がキューに追加

ESOの最初の改革提案(2023年12月)は新規申請者のみが対象でした。しかし、系統接続のキューは「前例のない」速さで拡大し続けています。このため、ESOは既存のキューにもこの改革を拡大する必要があると判断しました。

2023年11月時点で送電接続キューは400GW、そのうち72GWが蓄電池プロジェクトによるものでした。2024年4月末には総キュー容量が510GWに増加し、さらに配電接続キューには200GWが追加されています。

Battery energy storage transmission connection queue capacity

この6か月間の増加分のうち、48GWは新たな蓄電池プロジェクトによるものです。これにより、送電接続キュー内の蓄電池容量は合計120GWとなりました。このうち62%は2030年以降の接続予定で、一部プロジェクトでは2038年まで待つ必要があります。

最新の提案では新規・既存申請の両方に接続プロセスを拡大

ESOは2023年12月に最終提言レポートを発表し、新規申請向けに「First Ready, First Connected(準備が整った順に接続)」プロセス(TMO4)を提案しました。このプロセスではプロジェクトが2つの「ゲート」を通過した後、キューの位置と接続日が決まります。

最新の提案では、このプロセスを既存申請にも拡大することをESOが提案しています。 これは「TMO4+」と呼ばれ、初期分析によるとキューの規模を半減させ、進捗の早いプロジェクトにはより早い接続日を提供できる可能性があります。

ESOはTMO4+を2025年1月1日から導入することを提案しています。

Ofgemは公開書簡の中でこの最新提案を支持しつつ、接続プロセス全体の目標達成には更なる改革が必要であるとも述べています。

既存プロジェクトもGate 2へ進むチャンス

TMO4では新規プロジェクト向けに2つの公式「ゲート」が導入されました。プロジェクトは毎年1回の申請期間中にキューへの申請が可能です。その後、ネットワーク設計の調整に基づき、Gate 1で接続オファーが提示されます。

Gate 2では、プロジェクトのキュー位置が決定され、一部プロジェクトは接続日を早めることができます。Gate 2は、土地権利の確保や開発許可の申請など、特定の条件を満たした場合に進むことができます。

TMO4+はこのプロセスを既存プロジェクトにも拡大します。すでにキューに入っているプロジェクトもGate 2の条件を満たしていることを証明できれば、接続日の前倒しや現状維持を申請できます。

Gate 2の条件を満たさない既存プロジェクトには新たな接続予定日が提示されます。これらのプロジェクトもGate 2への申請が可能で、条件を満たせばキューに入ることができます。

改革により接続日が前倒し・後ろ倒しとなるプロジェクトも

2023年を通じて接続改革が進む中、一部プロジェクトでは接続日が変更されました。778MWの蓄電池プロジェクトが最大10年も接続日を前倒しされました。

一方で、2.9GWのプロジェクトは接続日が遅延。42%は1年の遅延ですが、中には最大10年の遅延となったものもあります。

これらの変更により、長期的な接続日だった蓄電池プロジェクトの一部が恩恵を受け始めています。324MWのプロジェクトは接続日が2024年に前倒し(1件では8年の前倒し)、さらに357MWのプロジェクトは2027年から2028年に前倒しされました。