ポーランドの蓄電池市場見通し:2026年に知っておくべきこと
2026年9月までの1年間、ポーランドはModo Energyの欧州蓄電池ベンチマークで首位となりました。2時間蓄電池の収益は442,000ユーロ/MW/年に達し、同等のドイツの蓄電池の2倍を超えました。
収益の大半は、ポーランドの送電系統運用者PSEへの予備力の提供によるものでした。PSEが調達する予備力容量はわずか1.8 GWであり、現在の価格水準で収益を得られる蓄電池の数には限りがあります。
2026年には開発事業者が455 MWの蓄電池を追加しました。基本シナリオでは、2027年に累積導入容量が1.8 GWを超えます。より多くの蓄電池が予備力契約を競うにつれ、2時間蓄電池の年間収益は2028年半ばまでに63%減少し、165,000ユーロ/MW/年になると見込んでいます。
2026年11月のライブ配信では、予備力価格が下落するなかで卸電力取引がどのような収益機会をもたらすのか、新たな蓄電池がどれほど早く系統に接続できるのか、そして2027年に開発事業者が注目すべき判断事項について解説しました。
要点
- ポーランドの電力価格は、石炭が依然として発電の大きな割合を占めるなか、4月からガス価格に連動し始めました。2028年までには、石炭火力の発電コストがガス火力を上回ると予想しています。石炭火力発電所は2028年以降、容量市場の支援を受けられなくなります。
- 系統改革により新規プロジェクトの余地が生まれ、PSEへの接続申請は80%減少しました。一方、蓄電池そのものの資金調達は別の課題です。2030年受け渡し分では、100 MW・4時間蓄電池のうち容量支払いの対象となるのは13.4 MWにとどまります。
- 2026年9月までの1年間、ポーランドの2時間蓄電池収益の92%を需給調整サービスが占めました。そのため、PSEの予備力契約をめぐる競争が収益に大きく影響します。
- 2027年には、導入済み蓄電池容量が予備力需要を上回ると予想しています。基本シナリオでは、2030年のポーランドの蓄電池容量は、PSEの調達する予備力容量の4.4倍に達します。
ポーランドの卸電力価格はガス価格に連動し始めた
予備力をめぐる競争が激しくなるにつれ、蓄電池の収益に占める卸電力市場での裁定取引の割合が高まります。ポーランドでは、卸電力価格を決める燃料が変わりつつあります。
ポーランドでは、発電量の大半を石炭と褐炭が占めています。2026年1月から10月にかけて、ポーランドの前日市場価格は17%上昇しました。英国(31%)やドイツ(26%)と比べると小幅な上昇です。ただし、この期間にポーランドの価格は別の燃料に連動し始めました。
4月までは、前日市場価格は石炭火力発電所の運転コストにほぼ連動していました。イランでの戦争勃発後にガス価格が上昇すると、ポーランドの電力価格はガス価格に連動し始めました。10月には、ガス火力の発電コストは186.5ユーロ/MWhとなり、石炭火力の105.9ユーロ/MWhを上回りました。
こうしたコストは2028年までに逆転すると見込んでいます。基本シナリオでは、2027年から2028年にかけてガス価格が下落する一方、EU排出量取引制度の炭素価格上昇が石炭火力により重くのしかかります。その結果、石炭火力の運転コストがガス火力を上回ります。
2028年以降は、EU規則により石炭火力発電所への容量市場支援も打ち切られます。政府は2036年までに最後の石炭火力発電所を廃止することを目指しています。基本シナリオでは、閉鎖は2040年と想定しており、その時点でポーランドのガス火力容量は現在の2倍以上になっています。
8月の熱波で夕方の電力価格が1,870ズウォティ/MWhに
2026年8月4日、熱波を受けてPSEは同年2度目となる容量市場の発動を通知し、契約済みの全設備に供給を求めました。需要は21.2 GWでピークに達しましたが、これはポーランドで珍しくない水準です。夕方に厳しい状況となったのは、太陽光発電の出力低下を補える発電設備がほとんどなかったためです。
石炭火力の約5 GWは、夏季の定期保守のためすでに停止していました。河川水位の低下で、ほかの火力発電所が利用できる冷却水も限られ、風力発電の出力は夏季平均の半分にとどまりました。
不足分を補うため、ポーランドは揚水発電とドイツ、リトアニアからの輸入に頼りました。スウェーデンの設備を含め、ポーランドの容量契約を持つ国外の発電所の一部も、自国の系統への供給が必要でした。
前日市場価格は、2時間の発動が終了した後の20時に1,870ズウォティ/MWhに達しました。蓄電池の運用者にとって、追加の1時間分の電力を蓄える価値は、その日の夕方のピークがどれだけ続くかに左右されました。
発動中は、インバランス価格がほぼゼロまで下落しました。これは、計画された発電量や需要からのずれをリアルタイムで精算する価格です。契約済みの設備がすでにフル出力で供給していたため、この2時間にPSEが追加で必要とする需給調整力はほとんどありませんでした。
太陽光発電が増えても、マイナス価格の時間は増えていない
蓄電池の取引マージンを左右するもう一つの要素は、充電時に支払う電力価格です。2026年1月1日から10月26日までに、ポーランドでは前日市場価格がマイナスとなった時間が303時間あり、2025年の同期間をわずかに下回りました。スペインでは、547時間から693時間に増加しました。
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