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CIS入札第8回、単独BESSで16GWhを授与—過去最大のディスパッチ可能ラウンド

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CIS入札第8回、単独BESSで16GWhを授与—過去最大のディスパッチ可能ラウンド

最新のCIS入札ラウンドの結果が2026年6月24日に発表され、NEM全体で15件の単独BESSプロジェクト(計4.2GW・16.1GWh)が選定されました。CIS入札第8回は、これまでのCISラウンドで最大規模のバッテリー授与となり、第3回の4.1GW・15.4GWhを僅かに上回りました。これまでの発電ラウンドと異なり、すべてのプロジェクトが太陽光や風力と併設されていない単独バッテリーです。入札設計がこの結果を後押ししたと考えられ、単独BESSプロジェクトは接続や認可がハイブリッド型より簡易なため、実現性評価で高得点を得やすい傾向があります。

クイーンズランド州が全体の51%を占める7プロジェクトで圧倒的な存在感を示し、発電ラウンドで常にリードしていたニューサウスウェールズ州から大きな転換が見られました。一方、Ampyr Energyは4プロジェクトで全体の約3分の1を獲得。選定されたバッテリーの大半は4時間システムであり、これは入札設計の意図を反映しています。

本記事では、今回授与されたプロジェクトとNEMにおけるディスパッチ可能容量への影響を解説します。第7回入札結果はこちらからご覧いただけます。

要約

  • CIS入札第8回は、単独BESS15件で4.2GW・16.1GWhを授与し、1回のCISラウンドとして過去最大の蓄電容量を記録。
  • クイーンズランド州が15件中7件・全体の51%を獲得し、従来首位だったNSWを逆転。
  • Ampyr Energyは4件・1.4GW・5.2GWhで最大の受賞者となり、次点3社の合計を上回る。
  • 15件中13件が4時間システムで、NEMのディスパッチ調達の標準が4時間であることを裏付け。
  • 第8回入札でNEMのBESSパイプラインが4.2GW増加し、Modoの予測では2030年までに運用規模は20.9GWに到達。

選定15プロジェクトで16.1GWhを達成、ラウンド目標を満たす

本ラウンドは4GW・4時間相当の容量を目標とし、選定15件は出力・容量ともに目標の1%以内に収まっています。出力がやや上回ったのは、AmpyrのBulabul 1(2時間)やLightsource bpのWoonga Creek(3.5時間)など短時間型が含まれているためです。

Ampyr Energyは4契約・合計1,425MW(全体の32%)を獲得し、次点のPotentia(480MW)とEdify(500MW)を合わせた規模を上回りました。契約は全体で9社に分かれ、残り6社は各1件ずつ選ばれました。30MW超の小規模案件の集合も応募可能でしたが、今回は選定されませんでした。

第8回はCIS史上最大のバッテリー授与

16.1GWhで第3回(15.4GWh)の記録を僅差で更新。NEMディスパッチ専用としては初のラウンドで、従来の発電併設型とは一線を画します。

WEMラウンド(T2、T5、T6)は規模が小さく、西オーストラリア州に特化していましたが、第1回と第7回はNEMを対象としつつも規模は限定的でした。

クイーンズランドが第8回容量の51%を占有

クイーンズランド州の7プロジェクトは2,150MW・全体の51%を占め、他3州合計を上回ります。これは従来、ニューサウスウェールズ州が最大シェアだった流れからの大きな変化です。

累計でCISプログラムはNEMとWEMで16GW超のBESS契約を締結。初期はNSWがリードしていましたが、第8回のクイーンズランド偏重でその差が大きく縮まりました。

CISバッテリー受賞案件の1割未満しかファイナンシャルクローズに到達していない

全CISラウンドのうち、授与された17.5GW中1.8GWのみが最終投資決定(FID)に進みました。注目すべきはその経緯で、第8回で唯一建設中のBulabul 1は、結果発表前に資金調達を確保していました。CISパイプライン全体でも、FIDに到達した案件の多くは政府契約によるものではなく、独自のビジネスケースで進展しています。

初期ラウンドの受賞案件の多くは、十分な収益性を確保できないほど低い上限で入札したため、いまだ計画段階にとどまっています。CIS契約は収益下限を保証しますが、その水準が事業成立に十分でなければ、建設には至りません。CIS契約の獲得とFID到達は別物です。


NEMパイプラインは45GWに到達も、2030年までの現実的な建設見通しは20.9GW

第8回入札でNEMのBESSパイプラインは4.2GW増加し、承認済み案件全体で約45GWに達しました。下図は、各プロジェクトの商業運転予定日ベースでの供給予測と、Modoの中央予測(実際に建設される規模)を示しています。

パイプラインの大半は資金調達や承認が未確定の計画段階にあり、2030年末までの中央予測20.9GWは全体規模を大きく下回ります。2028年後半に多くのプロジェクトの商業運転予定が集中し、第8回受賞案件も2027~2029年にかけて送電網接続や資金調達が進む見通しです。授与済み容量は既にCISスキームの当初目標を上回っており、今後の入札はパイプライン内の淘汰も反映されます。


今後の見通し

現在、さらに2回のCISラウンドが開催中です。第9回は5GWの発電ラウンドで、登録締切は7月6日。NSW案件は過去ラウンドで割当を満たしたため対象外となり、500MWのファースト・ネーション向け枠が設けられています。第10回は次のディスパッチ可能ラウンドで、第8回と同じ4GW/16GWhを目標とし、登録締切は8月4日。スキームの容量目標が達成されれば、NEMディスパッチ可能ラウンドとしては最後となる見込みです。

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