2014年以降、英国(GB)における蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)の容量は2022年3月時点で1.4GWにまで拡大しています。

この成長に加え、2020年から2021年にかけての平均収益は95%増加しました。
英国におけるBESSの成功事例は注目を集めており、多くの人々が新たなビジネスチャンスに関心を寄せています。本記事では、業界の成長スピードを理解するために、2025年までの成長予測についてご紹介します。
英国BESS導入の見通し
以下のグラフは、四半期ごとの英国BESS容量の予測値を示しています(これらの数値の算出方法はこちら)。

- 2022年3月から2025年末までに、英国のBESS容量は4,995MW増加すると予想されています。
- これは、全てが該当期間の納入に向けて容量市場契約を獲得した99件のプロジェクトで構成されています。
- 2025年末までに、英国のBESS導入容量は他の蓄電技術(例えば揚水発電)を超え、BESSが主流となる見込みです。
設備規模
最近の業界アップデートでも、より大規模な設備の建設が進んでいることに触れましたが、この傾向は今後も続くと見られます。下のグラフは、2025年における設備規模(MW)の分布を示しています。

今後2025年までの間に、平均サイト容量は19.4MWから37.7MWへと増加する見込みです。
運転時間(アセットデュレーション)
現在、より長時間の運転が可能なシステムについても議論が進んでいます(運転時間に関する調査はこちら)。
下のグラフは、毎年建設が予想される設備の運転時間の推定値を示しており、そのうち37.3%が2時間システムとなる見込みです。

今後の英国BESSパイプラインの内訳
下記の表では、現在(2022年3月)から2025年末までに稼働が見込まれる全サイトのリストと、定格出力(MW)、エネルギー容量(MWh)、および稼働予定日(四半期単位)を掲載しています。
また、エクセルファイルとしてデータをダウンロードすることも可能です。

データの根拠
表1に記載された各設備は、複数の情報源を集約し個別に調査・分析しています。これにより、将来的なBESS設備の稼働状況をできる限り把握しています。
- 2021年〜2025年納入分の容量市場(CM)契約はすべて評価済みです。これには、各サイトに付与された複数契約の集約や、新オーナーによるサイト取得も含まれます。
- その他の情報源として、再生可能エネルギー計画データベース(REPD)、接続台帳、ネットワーク運営者台帳、規制ニュースサービス(RNS)、企業年次報告書、ニュース記事などを利用しています。
- 可能な場合には、特定された設備のオーナーや開発者に直接連絡し、稼働予定日をより詳しく把握しています。
- 情報が得られない場合は、近似値を用いています。これには、CM台帳の情報をもとにした運転時間やエネルギー容量の推定、場合によってはCM契約の納入年を最遅の稼働予定日として採用しています。
本データの利用方法などご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。皆様とのご意見交換を楽しみにしています!




