先月、蓄電池エネルギー貯蔵システムはどれくらいの収益を上げたのでしょうか?
5月のModoベンチマークは£3,722/MWでした。
これは、当社リーダーボードに掲載されている蓄電池エネルギー貯蔵資産の中央値の収益です。したがって、5月にこれ以上の収益を得た資産は平均よりも好成績となります。

全体の収益は、Modoがデータの追跡を開始した2020年1月以降で最も低い月次水準となりました。

では、なぜこのような数字になったのでしょうか?5月に知っておくべき主な5つのポイントをご紹介します:
1. 蓄電池エネルギー貯蔵の導入が急速に進行中
5月、イギリスのグリッド規模の蓄電池エネルギー貯蔵容量が2.5GWを超えました。

- イギリス全体の蓄電池エネルギー貯蔵容量は現在2,664MWに達し、導入ペースが加速しています。
- 今年だけで、581.5MWの新規容量が市場に参入しており、月平均116MWのペースです。
- これは昨年のペースの2倍以上で、2022年の月平均は56MWでした。
5月には、6つの新しい大型(5MW超)の設備が市場に参入し、合計168.5MWの容量が追加されました。

2. ダイナミック・コンテインメント市場がかつてないほど飽和
新規容量の参入により、ダイナミック・コンテインメント市場はこれまで以上に飽和しています。
高頻度ダイナミック・コンテインメントを提供できる蓄電池容量(2,229MW)は、ナショナルグリッドESOが必要とする量(5月平均1,099MW、過去最多調達)を2倍以上も上回っています。

これにより、サービスの平均落札価格は£3.95/MW/hとなり、3か月ぶりに価格が下落しました(必要量増加の中での下落)。

- 価格が下落したものの、高頻度ダイナミック・コンテインメントは5月の蓄電池エネルギー貯蔵収益の43%を占めました。
- 11か月連続で、低頻度ダイナミック・コンテインメントの価格も下落。2023年5月の平均落札価格は£1.37/MW/hで、サービス開始(2020年10月)以来最安値となりました。
3. 月次ファーム・フリクエンシー・レスポンスの価格が過去最低を記録
ファーム・フリクエンシー・レスポンス(FFR)では、8か月連続で価格が下落しました。

- 5月の参考価格£5.69/MW/時は、当社が価格をモニタリングし始めて以来の最安値です。
- これまでの最安値は2021年4月の£5.76/MW/時でした。
ファーム・フリクエンシー・レスポンスのオークションは、供給の1か月前に行われます。そのため、オペレーターは他市場でより良い価格を得られるかどうかを見極めて入札価格を決める必要があります。
最近数か月では、FFRで得られる価格が他市場を大きく上回ることもありましたが、現在は差が縮まっています。

市場の飽和が価格を押し下げていますが、FFRと他市場の価格差が縮まっていることは、オペレーターが他の収益機会をより的確に予測できるようになってきていることを示しています。
4. 5月の卸売スプレッドは2023年で最も低水準
2023年5月の平均日次卸売スプレッドは£42.05/MWhで、4月(£55.72/MWh)から25%減少しました。5月は今年これまでで最も低い月次平均スプレッドとなりました。

5月にデイアヘッド取引を行った場合、蓄電池はどれくらい収益を上げることができたのでしょうか?

- 1時間システムでEPEX SPOTのデイアヘッドオークションを完璧な予測で取引した場合、5月の収益は£828/MW。
- 2時間システム(同条件)では£1,565/MWとなります。
5. バランシングメカニズムでの蓄電池エネルギー貯蔵のディスパッチが過去最多に
周波数応答サービスの飽和を受け、蓄電池はバランシングメカニズムでのオファー(増発電)がこれまで以上に利用可能となっています。
この利用可能性の増加により、5月には蓄電池エネルギー貯蔵によるオファーが6.4GWhディスパッチされ、過去最高を記録しました。これは4月(過去最高)から17%増加です。バランシングメカニズムでの蓄電池の活用がますます増えています。

他市場での価格が低迷する中、バランシングメカニズムからの収益が月間総収益に占める割合も過去最大となりました。

さらに詳しく知りたい方は、リーダーボードで5月に最も収益を上げた資産をご確認ください。




