27 January 2025

オーストラリア:バッテリーエネルギー貯蔵とCISおよびLTESA制度

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オーストラリア:バッテリーエネルギー貯蔵とCISおよびLTESA制度

2027年末までに、16GWのバッテリーエネルギー貯蔵容量がNEMパイプラインに計画されており、そのうち4分の1は長期的な政府保証付き収益を得ています。これは、容量投資スキーム(CIS)または長期エネルギーサービス契約(LTESA)によるものです。これらの制度は、新たな発電および柔軟な容量の建設を支援するために設立されました。

本記事では、これら2つの制度と、契約を獲得したバッテリープロジェクトについて解説します。

要約

  • 容量投資スキーム(CIS)長期エネルギーサービス契約(LTESA)は、オーストラリアにおけるクリーンエネルギーおよび蓄電プロジェクトを加速するための政府保証付き収益フロア契約です。
  • CISは連邦制度でNEMおよびWEMの両方を支援し、LTESAはニューサウスウェールズ州の電力インフラロードマップに基づく州独自の政策です。
  • 両制度の入札により、これまでに3.8GWのバッテリー契約が授与されており、その半数以上が長時間型または再エネ併設型です。
  • これらの制度による最低収益保証により、特に商業的に難しい4時間・8時間型バッテリーの事業化が進んでいます。

CISとLTESA制度とは?

CISとLTESA制度はいずれも、新規・低炭素発電および柔軟な容量の確保を目的として導入されました。両者の主な違いは、CISが連邦政府によるものであるのに対し、LTESAはニューサウスウェールズ州政府によるものです。

容量投資スキーム(CIS):クリーン発電とディスパッチ可能な容量を支援する連邦政策で、2030年までに再生可能電力比率82%を目指しています。契約期間は10~15年で、収益の上限・下限を長期で設定し、いずれも入札で決定されます。NEMとWEMの新規容量を支援します。

長期エネルギーサービス契約(LTESA):ニューサウスウェールズ州の電力インフラロードマップの一環として、発電または長時間蓄電プロジェクトに提供されます。州内で2030年までに12GWの新規再エネ発電と2GWの長時間蓄電を支援することを目指し、契約期間は最長20年、長期的な収益フロアが設けられます。

最低収益保証が新規プロジェクト建設を後押し

CISおよびLTESAの契約では、バッテリーエネルギー貯蔵プロジェクトに対し、政府保証による最低収益(フロア)が提供されます。これは、他の収益に加えた価値を与える容量市場とは異なります。

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