2025年1月、クイーンズランドのバッテリーエネルギー貯蔵の収益は、NEM平均の3倍となりました。これは主に、1月22日に発生した極端な価格上昇イベントが要因であり、この日だけでクイーンズランドのバッテリーは月間収益の57%を獲得しました。
しかし、個々のシステム間で収益には大きな差がありました。これは異なる入札戦略によるものです。本記事では、これらの戦略がディスパッチ目標や最終的なバッテリー収益にどのように影響したかを詳しく解説します。
要約
- 2025年1月22日、クイーンズランドで過去最高の需要が発生し、価格は90分以上にわたって$10,000/MWhを超えました。
- 同様のシステム間でも収益は50%以上の差があり、高価格時の放電方法が異なりました。
- 運用者の戦略や最適化の違い(ポートフォリオの考慮も含む)が収益結果に大きく影響しました。
本記事では、Modo Energy NEMバッテリー指数を参照しています。この指数は、NEM内のバッテリーが特定期間に得た平均収益(マージナルロスファクターを含む)を示します。平均値はバッテリーの定格出力で加重・正規化されています。金額はすべてオーストラリアドル(AUD)です。
本指数および記事は、NEMの公開取引型卸売電力・FCAS市場からの収益、いわゆるマーチャント収益を対象としています。バッテリーは政府契約やPPAなど他の収益源も持つ場合があります。
2025年1月22日の極端な高価格が月間のバッテリー収益を牽引
2025年1月22日、クイーンズランドの電力需要は特にブリスベンでの高温により過去最高となりました。州内の電力価格は18:00から19:35にかけて$10,000/MWhを超え、バッテリーにとってエネルギーアービトラージによる大きな収益機会となりました。




